2012年09月21日

妙なクセがある猫の脳と、重力クワガタの不思議


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「パパ、ディフェンス甘いよ」



最近読書熱がかるくフィーバーしていたので本を読む時間が増えた。そんななかで印象に残った本をいくつかご紹介。
記事のタイトルで悩んで自殺しないように。マスコミにセカンドレイプされちゃうぞ。

赤ちゃんの不思議 開 一夫
まさに産声を上げたばかりの「赤ちゃん学」が明らかにしつつある、旧来の「何もする能力もなく、ひたすら無垢な存在」というイメージを塗り替える「新しい赤ちゃん像」。インタビューできない赤ちゃんを対象とする「赤ちゃん学」が、どんな研究方法を採用し、それによってどんなデータが取れ、またそれをどのように解釈してゆくのか、という方法論まで含めて丁寧に解説しながら紹介してくれる良書です。単なる研究結果をトリビア的に知りたいという人には、まわりくどく面倒くさいだけの本かも知れません。

カブトムシとクワガタの最新科学 本郷儀人
10年以上に及ぶ野外観察の末に、新たな雑木林に足を踏み入れた瞬間にそこに棲息するカブトムシやクワガタの量が予想できてしまう程度に「カブトムシ取りがカブトムシに」が進行中の著者による、日本のカブトムシ&クワガタの最新研究レポート。一番インパクトがあったのは、カブトムシ♂の♀に対する鬼畜ぶりと、対するクワガタ♂の♀へのジェントルマンな振る舞いの対比。彼らがどう鬼畜でどう紳士なのかは、本書を読んでのお楽しみ。

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る 大栗 博司
冒頭に示される「重力」にまつわる7つの不思議を解決すべく、相対性理論と量子力学を踏まえて超弦理論に辿りつき、やっと「重力」と呼ばれるものの尻尾を掴みかけたと思いきや、最後にブラックホールに乗ったホーキング博士と共に現れた「ホログラフィー原理」により、跡形もなく目の前で消え去ってしまう。まさか科学啓蒙本で、ミステリばりのどんでん返しが見られるとは思わなかった。

脳には妙なクセがある 池谷裕二
脳科学者・池谷裕二氏の最新刊で、最新の脳科学研究の知見の数々を紹介する小ネタ集。この本の骨子となるテーマは、人の脳や「心」を考えるときの「身体性」の重要性。それは例えば、「楽しいから笑う」のではなく、「笑顔を作ると楽しいという感情のスイッチが入る」という脳に備わっている逆因果。それは例えば、身体の痛みを感じる鋭敏な痛覚回路を流用して「心の痛み」を処理しているというように、ヒトの高度な心理作用の多くは物理的な「身体性」を下地にしているという事実。「心」は脳に局在するのではなく、身体や周囲の環境に散在するものだという著者のメッセージに、改めて共感する。


昭和30年に中央公論社より発行された同名本のアレンジ版。井伏鱒二、大佛次郎、谷崎潤一郎、寺田寅彦、柳田国男といった錚々たる面々による、猫にまつわるエッセイをまとめたもの。なんてことのないエピソードが綴られているだけのような気もするのだが、これを電車や会社の昼休みに読んでいると、一刻でも早く家に帰ってアイリスを抱きしめたくなって仕方がなくなる。なんだか一気に読めなくて、一編一編大事に読みすすめているぜぇ〜。センシティヴだろ〜。


posted by いっこう at 17:16| Comment(7) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月15日

シェフのおすすめ本


いっこうの話つまんなーい今日は実家に帰って、年末年始にあった色んな出来事を半次郎に報告してみた。
最初はこちらをじっと見つめて神妙に聞いていたようだが、2分もすると飽きたのか、このように私をガン無視して外の様子を眺めることに夢中になってしまった。

なんだか完全に弟猫に舐められ気味の私であるが、今日はそんな私のブログ「逆スペ」の過去記事で述べたことと共通点が多かった本を三冊紹介することにした。いきなりですが。

三冊全てが私の記事がアップされた以降に発行された本であることから、まつげの長い娘を描かせたら右に出るものはいない某漫画家のように、それら三冊の本を書いた著者を相手に盗作じゃ!盗作じゃ!と駄々をこねてみようとも一瞬思ったが、「自分程度が考えることは、既に他の優秀な誰かによって、より深く考えられているものだ」という当たり前の事実をなぞって、ちょっとした諦観を気取っている謙虚な私である←

まぁそんなわけで、このブログの当該関連記事やコメント文章を読んで何か感じるものがあった方には是非手にとって読んで頂きたい三冊を紹介する。


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posted by いっこう at 18:35| Comment(4) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月25日

考える脳 考えるコンピューター


訳文も自然でした「どこの会社にも入れてもらえなかった。
 じゃあ自分で会社を創っちゃえ!」


というのは、ドラえもん無しで成長した時の未来の野比のび太の論理である。
発想礼賛の御時世であるからして、中には「固定観念にとらわれない見事な発想の転換である」などと成長したのび太のPQ値の高さを褒め称える奇特な人もいるかもしれないが、まぁ常識的に考えれば「ただのアホ」という判断が支持されることだろう。

一方で、

「俺の理論はMITに認められなかった。
            だったら自分で研究所を創っちゃえ!」


というのが、この「考える脳考えるコンピュータ」の著者ジェフ・ホーキンスである。

ほとんどのび太と同じ発想にも見えるが、それならジェフ・ホーキンスは「ただのアホ」なのだろうか。

否。

ドラえもん全45巻を読破すれば、のび太が「ただのアホ」では簡単には片付けられない愛すべき存在であることが分かるように、「考える脳 考えるコンピューター」を一読してみれば、決してジェフ・ホーキンスが「ただのアホ」ではないことは直ちに理解できることだろう。
それどころか、脳や知能に多少の興味がある者ならば、彼がこの本で提示する「真の知能を持った機械」の新たなビジョンと方向性が、先の見えない脳研究にブレイクスルーをもたらす可能性に興奮を覚えるかもしれない。
実際私は興奮した。

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posted by いっこう at 01:40| Comment(5) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月09日

大きい1年生と小さな2年生

生まれてから今まで数々の本を読んできたわけですが、ふと一番最初に読んだ本は何だったのだろうと思いました。
そうして過去に思いを巡らせていたところ、その記憶検索に引っかかったのが、小学校1年生の時に親に買い与えてもらった「大きい1年生と小さな2年生」というタイトルの童話本でした。
厳密に言えば幼稚園の頃にも昔話の絵本とかを読んでいたのでしょうが、現代の文字主体の本という意味で、また、今でもその輪郭を鮮明に覚えているという意味では、この本が最初で間違いないと言えそうです。
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posted by いっこう at 20:04| Comment(7) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月26日

逆境ナイン

「それはそれ」!!「これはこれ」!!
「逆境とは!?」
「思うようにならない境遇や、
不運な境遇のことを言う!!」



何年も人間を続けていれば、自分の力ではどうしようもないような「壁」にぶちあたる事もある。その「壁」の、非情なまでの高さと分厚さの前に、為す術も無くただただ途方に暮れてしまうものだ。

そんな時に決まって、私の心の中で暑苦しい雄叫びと共に暴れ出す、非常に迷惑であると同時に、とてつもなく心強いヤツが居る。
彼の名は不屈闘志。漫画「逆境ナイン」の主人公である。
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posted by いっこう at 19:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月30日

哲学の謎,野矢茂樹(著),現代講談社新書


逆転スペクトルに関するページ哲学に興味がある人への入門書として、うってつけの一冊です。予備知識は一切必要ありません。
ただ漠然と生活しているだけでは一生疑問に思う事もないが、いざ考えだしてみるとよくわからないという「謎」が、実はこの世には手付かずのまま沢山残されています。

他人って本当に存在しているの?
言葉の意味って?
時が流れるってどういう事?


根本的な哲学的議論への問題意識を大いに刺激し、「考える」事の面白さを本書は教えてくれるはず。
各章のテーマに沿った二人の人物の対話という形で書かれており、途中には立ち止まって考えないと難しい箇所も無いではないですが、時には笑いも交えつつ、全体としては非常にわかりやすく語られています。
posted by いっこう at 23:57| Comment(2) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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