2006年04月27日

そのひと


その女性とは、時計台の下で待ち合わせをしていた。

お気に入りの文庫本を読みながら待っていた私の前に、彼女は時間通りに現れた。

「待った?」

「いや」

そんな短い言葉の交換の間に密かに確認した彼女の服は、私が今まで見たことのないものだった。「いつの間に買い揃えたんだろう」と漠然と考えていると、彼女はそんな私の思考を読み取ったかのように、

「これ昨日届いたのよ。いいでしょう」

と微笑んだ。

あらかじめ決めておいた通り、私達はデパートをなんとはなしに一緒に見て回ることにして、ペットショップにて小さくうずくまったソマリの仔猫に出逢ったり、レストラン街にて香り豊かなペペロンチーノをはさんで向かい合ったりといった、優しい時間を共有することになった。


そして私はつい先ほど、切符を片手に持った彼女を、笑顔で手を振り見送ってきた。



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posted by いっこう at 20:20| Comment(21) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

比例代表

一般人の理科離れ・数学離れということが言われて久しい。

しかし不思議な事に、その割には一般人の間の日常会話に理系の用語が出てくることは意外と多いものである。いわゆる理系の道を辿ってきた私であるが、これまでの短い人生の中でも、特に理系というわけでもない、むしろ理系的なものを毛嫌いするタイプの人の口からも、理科・数学の用語を何故か何度も耳にしたものだ。

その代表選手の一人といって良いのが「比例」という言葉だ。今Googleで「に比例する」という言葉で検索をかけたらば、実に609,000件ものページがヒットした。曰く、「アクセス数はサイト価値に比例する」「プレゼンの上手さは練習量に比例する」etc・・・

実際私も第一期社会人時代の新人の頃、とある上司からこのような訓示を聞かされたものである。

「いいか、いっこうくん。
 仕事をこなす能力というのは、経験に比例するんだよ」

右も左も上も下も斜め右上も分からない新人にはとてもありがたい訓示ではあるが、理系で育った私は、こうした「比例」でたとえた言葉を真面目な顔でうなずきながら聞きつつも、どうしても頭に過ぎって心でニヤニヤしてしまうことがある。


数学でいう「比例」とは、ある二つの変数XとYの間の関係が、Y=αX(αは実数の定数。比例係数もしくは比例定数と呼ぶ)となる状態の事をいう。全国のどの学校でも、このようにして教えられたはずである。

ならば本当に仕事の上手さが経験に比例するのであれば、仕事=α経験という関係が成り立ち、それは一次関数ということであり、縦軸に仕事の能力、横軸に経験の長さをとったグラフにおこせば見事な直線を描くということになる。

・・・すると、このαという実数定数は何者(仕事係数とでも名づけよう 笑)なのだろうか。この仕事係数は、どのような人間であっても同じ値なのだろうか。それとも、このαは各個人固有の定数であり、人それぞれ違う値をとるオンリーワンな類の個人定数?なのだろうか。そうか、人は生まれながらの仕事直線の傾きを持ったオンリーワンなんだね!


しかし率直に私見を言わせてもらえば、仕事の能力と経験の関係は比例関係にあるとは、とてもいえなかろう。そもそも線形な関係すら成り立つ事はない。

恐らく仕事の能力というものは、その初期には経験によって急激に(指数関数的に 笑)上達し、その後割とすぐに上昇の係数が下がって横ばい状態に陥り、最後には年齢からくる衰えから下降線をたどるという、非線形な経緯をみせる事だろう。
だいたい、αが正の実数であるという前提でかの発言はなされているが、比例関係においてαは負の場合もあり得るので、そんな仕事係数を持ったオンリーワンな人は、経験すればするほど仕事の能率が下がってゆくという残念な事になってしまうではないか(実際それに近いことになってしまう人も居るが 笑)

・・・いや、私だって本気でこんなツッコミを入れたいわけではない(笑)上司にこんな事を反論するほどのウルトラ馬鹿でもない。
日常における比例という言葉が、「二つのものが一定の関係をもつとき、一方の増加につれて他方も増加すること」という、ゆるい使われ方をしていることくらいは了解している(今では辞書にもその用法が載っているだろう)し、私自身もそれほど抵抗なくそのような使い方をするものだ。「比例」を厳密に使えなどとは一片たりとも思っていない(笑)

ただこの記事を読んだ、理系で真面目に数学や物理などを勉強してきた人間が、少しニヤリとしてくれるのではないかという、たったそれだけのために、特にさしたる主張もないまま記述したのみである(笑)

そしてまた、この手のおかしな使われ方をする理系用語というのは、「比例」以外にもとてつもなく多いものだ。今後ここで別の用語を取り上げることがあるかもしれない。

しかし何故、数学嫌いであるのにそんな数学用語を使おうとする人が多いのだろうか。
暇でどうしようもない方は、そんな彼らの心理分析をしてみたらどうだろうと無責任に薦めておきながら、この記事を終わりにすることにする。
posted by いっこう at 10:57| Comment(13) | TrackBack(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月11日

2006年3月の月例報告


これも桜鏡と言って良いのだろうか。


堀北まみねぇ見て、まるで散った桜の花びらが地面を護ってるみたい。

いっこう:桜から地面へ、春物の服のプレゼントって所かな。

堀北まみ:あなたと会えない間に、この公園の桜も随分と散っちゃったのね。

いっこう:花は咲き、そして散るものさ。

堀北まみ:分かっていても、やっぱり寂しいものよ。

いっこう:・・・・。



堀北まみ:この一ヶ月、全然会ってくれなかった。

いっこう:・・それよりずっと重要なことで、忙しかったんだよ。

堀北まみ:私に会うことより?

いっこう:ああ。

堀北まみ:そう・・他に好きな人が出来たのね・・・ひどい!

いっこう:スキューバダイビングの猛練習をしてたんだ。

堀北まみ:え?






いっこう:君の心という海の、もっと深いところまで潜りたいから。










甘ーーーーーい!
(キモーーーーーーーーーい!)




甘いよ〜。甘過ぎるよいっこうさ〜ん。


砂糖の分量をkg単位で間違えた手作りケーキぐらい甘いよ〜!

ほっぺたどころか顔中の皮が剥げ落ちるくらい甘いよ〜!

民主党の脇ぐらい甘いよ〜!



・・・そんな、一ヶ月以上ブログ放置という大罪も、こんなオマージュネタ程度で償えると思っちゃえるくらい甘〜い認識を持った管理人が、今月も恒例の月例報告をアップするのである。


・・更新遅れてごめんなさい。



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posted by いっこう at 18:32| Comment(8) | TrackBack(0) | 月例報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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